契約は５日だったが、予想外の出来事に調査は４日で終了。
いつ気が付かれたのか？
昨日までは間違いなく不信な動きをする車なんてなかったし、あの駐車場に出入りする車にも特に変わった様子はなかった。
ぼくは、すぐさま代表に電話し、どうすればよいのか聞いた。

代表からの指示で、調査場所から１５分ほど離れた大型パチンコ店の駐車場の屋上へ。屋上だと止まっている車もそれほど多くはない。
何か探しているフリをして、車の下になにかついていないか確認しろ、とのこと。
調査中、車を離れて見ていたこともあるので、その間に発信器のようなものがつけられている可能性もあるという。
焦ったぼくは何度も確認したけれど、特に何かがついていたり、つけられていた形跡も見つからなかった。
それを報告すると代表もほっとしたような感じだった。

“お前、半年はあのマンションの近くを通るなよ。”
とのこと。
ぼくは二つ返事で了承した。

現場に近づけないぼくに変わって、ときどき代表が様子を見に行ってくれた。
あれから事務所で駐車場の配置図を書いたり、撮ったビデオを確認しながら、代表と打ち合わせをした。

調査現場に近づけないぼくは、コンビニへ行き、風俗雑誌を購入。
そのときは、何かひとつでも手掛かりをさがしたい一心だったのだけれど、あとで考えるとこれってかなり恥ずかしいよな。
最初のページからくまなく探す。

車での送迎があるということは、店を構えていないであろうデリを中心に探す。
でも一応、女の子の写真には目を通しておいた。
かなり必死に見ているぼくの姿は、周りから見れば変態間違いなし。
ここが事務所であることに感謝した。
そして、ようやく風貌の似た女の子を見つけた。

プロフィールには２７才とあるが、まちがいなく彼女だろう。
右手で目元を隠すように撮影されているが、美人オーラ全開で写っている。
店はやはりデリとなっていた。
出勤している曜日をみると、月火木金となっている。
身長からも彼女に間違いないと思う。
そこはお店の新人を紹介するページだ。
時期的にみても一致する。

ほんとうにたまたまだが、自分が手柄をとったように誇らしげな気持ちになる。
帰ってきた代表にその雑誌を見せ、確認してもらう。